マラセチア皮膚炎とマラセキュアシャンプー（マラセブシャンプー）

マラセチア皮膚炎とは？

【マラセチア皮膚炎の症状】

マラセチア菌の増殖により、皮膚のかゆみ、赤み、フケ、かさつき等、引き起こされる症状は多岐にわたります。

1. 皮膚の強いかゆみと赤み: ペットが頻繁にかきむしることで皮膚が傷つき、さらなる炎症を引き起こすことがあります。
   特に耳や肘の内側、股関節周辺など、湿度の高い部位の皮膚に発生します。
2. 特徴的なカビ臭い脂漏臭: マラセチア菌が皮脂を分解することで発生する特有の臭いがあります。
3. 皮膚のフケやかさつき: マラセチア菌の増殖により、皮膚の異常によって代謝が乱れ、ペットの被毛に白い粉状のフケが付着することがあります。
4. 皮膚の油分の増加によるベタツキ: マラセチア菌が皮脂を好むため、皮膚の油分が増加し、ベタつきが生じます。
5. 皮膚の色素沈着や腫れ: 長期間の炎症やかゆみにより、皮膚の色素沈着や腫れが現れることがあります。

【マラセチア皮膚炎の発生原因】

マラセチア皮膚炎の発生原因は複数の要素によって引き起こされます。

1. ペットの免疫力の低下
2. 皮膚のバリア機能の低下（アトピー性皮膚炎など）
3. 皮膚の過剰な脂漏や乾燥など
4. 高温多湿な環境

マラセチア皮膚炎は、人間にも感染する真菌（カビ）であるマラセチアが原因となる皮膚病です。ペットから人間に感染することは少ないようですが、免疫力が低下している人や、すでに皮膚病を患っている人に感染することがあるようです。

【マラセチア皮膚炎の予防法】

• 適切な衛生管理: ペットの毛並みを清潔に保ち、適切なシャンプーや洗浄剤を使用して皮膚を清潔に保つことが重要です。
• 適切な栄養と健康管理: ペットにバランスの取れた食事を与え、免疫力を高めるために健康状態を維持します。
• 適切な環境の提供: 温度と湿度の調整が必要な場合は、ペットの環境を適切に管理し、乾燥や過湿を防ぎます。

マラセキュアシャンプー（マラセブシャンプー）とは？

マラセチア皮膚炎の治療に使用される動物用医薬品の一つです。治療における力強い味方のマラセキュアシャンプーですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。以下に、マラセキュアシャンプーの正しい使用方法と注意事項をまとめました。

【マラセキュアシャンプーの使用方法と注意事項】

1. 使用前の確認: マラセキュアシャンプーを使用する前に、付属の説明書をよく読み、指示に従ってください。特に、副作用や使用制限に関する情報を確認しましょう。
2. 副作用と注意事項: マラセキュアシャンプーはお薬の一種であり、副作用が発生する可能性があります。妊娠中や授乳中の女性は使用を避けましょう。
3. 使用方法: マラセキュアシャンプーの使用方法は以下の通りです。
   a. 毛がない犬種の場合は、20倍に薄めて使用してください。
   b. シャンプーをペットの体に塗布し、10分間放置します。この間、シャンプーが皮膚に浸透し効果を発揮します。
   c. その後、十分に洗い流しましょう。洗い流す際には、シャンプーが目や耳に入らないよう注意してください。
4. 保湿の重要性: マラセキュアシャンプーの使用後は、保湿を行うことが推奨されます。洗浄剤の成分が皮膚を乾燥させる可能性があるため、使用後に適切な保湿剤を使用し、ペットの皮膚を保護しましょう。
5. 継続使用と相談: マラセキュアシャンプーの効果が見られない場合や症状が改善しない場合には、獣医師に相談してください。使用期間は4週間8回を超えて使用しない。3日以上開けること。
6. 保護措置と換気: マラセキュアシャンプーを使用する際は、以下の保護措置を取ることが重要です。
   a. 使用時にはゴーグルとマスクの着用を推奨します。
   b. 手袋（ゴム手袋）を使用して、シャンプーをペットの体に塗布してください。
   c. ペットがシャンプーを舐めたり吸い込んだりしないように気をつけましょう。
   d. 使用後はしっかりと換気を行い、室内を清潔に保ちましょう。

マラセキュアシャンプーの正しい使用方法と注意事項には、ペットの健康と安全を確保するための重要なポイントが含まれています。指示に従い、慎重に使用してください。また、使用中に何か問題が発生した場合には、速やかに獣医師に相談することをおすすめします。

【マラセキュアシャンプーの誤使用時の対処法】

誤ってマラセブシャンプーがペットの耳等に入ってしまった場合、以下の対処法を実行することが重要です。

1. ぬるま湯でよく洗い、残ったシャンプーを取り除すことが第一です。柔らかい布、耳は綿棒を使って、シャンプーを優しく拭き取ります。ただし、耳の奥に入れることは避けてください。
2. ペットに不快感や刺激の兆候がないか観察してください。耳をひっかいたり、頭を振ったりするなどの行動が見られる場合は獣医師診てもらいましょう。
3. ペットに不快感やイライラの兆候が見られない場合でも、今後数時間は注意深く観察を続けてください。何か異常な症状や反応が現れる可能性があるため、様子を見る必要があります。

マラセキュアシャンプー（マラセブシャンプー）は薬用シャンプーであり、基本的に獣医師の指示に従ってのみ使用する必要があります。安全性と健康のためには、常に獣医師の指導を仰ぎ、適切な使い方を守ることが重要です。

マラセキュアシャンプーはワンちゃん用です。猫ちゃんにはノルバサンシャンプー又は、薬用酢酸クロルヘキシジンシャンプーがお勧めです。

更に詳しい薬用シャンプーの違いや使用方法についての記事はこちら
また、マラセブシャンプーと同成分のジェネリックシャンプーの記事はこちら

皮膚炎になってしまったら薬用シャンプーと合わせて保護服（掻きむしりや傷舐めによる症状の悪化を防ぐ、縫い目が外側のハイネック、長袖・長ズボンのスタイル）で体をすっぽりやさしく包み込むウエアの併用もおすすめです。

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