【個人輸入】ペットの薬「医薬品」「サプリメント」等、通販(輸入代行)で購入する際の注意点
1. 自分のペットに使う目的でしか買えません!
日本では、ペット用の薬を個人で輸入してもいいのは「自分のペットに使うときだけ」です。ほかの人にあげたり、売ったりするのは法律違反になります。
❌ 友達のワンちゃんにあげる → NG
❌ フリマアプリで売る → NG
※違反すると「3年以下の懲役」や「300万円以下の罰金」になることもあります。
一般の個人が自分で使用するために輸入(いわゆる個人輸入)する場合(海外から持ち帰る場合を含む。)には、原則として、地方厚生局に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、以下の範囲内については特例的に、税関の確認を受けたうえで輸入することができます。 当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。
引用:厚生労働省医薬局 監視指導・麻薬対策課 「医薬品等の個人輸入について」より
個人使用のために輸入する場合で、かつ輸入数量が少ない場合等は、輸入確認証は不要となっています。しかし、医師の処方箋が必要な「要指示医薬品」は届け出が必要です。
「要指示医薬品」として代表的なお薬では「フィラリア予防薬」が該当します。
2. 受取り時に「消費税」「税関手数料」支払いが必要な可能性がある
課税対象額(商品総額の60%)が1万円を超える(例:商品総額が16,667円以上)等。
2. 農林水産省の確認が必要な場合があります
薬を海外から取り寄せると、税関からハガキが届くことがあります(「医薬品の確認が必要です」という通知)。
そのときは、以下の書類を農林水産省に提出しなければなりません
- 輸入確認申請書
- インボイス(請求書のコピー)
- 商品説明書(何の薬か・成分や使い方など)
- 処方箋(フィラリア薬など一部の薬は獣医師の指示書が必要)
- 航空運送状などの配送証明
確認が取れたら、「確認済」の書類が返ってきます。それを税関に提出してから通関できます。
3. 輸入できない薬もあります
以下のようなものは、個人で輸入できません。
- ワクチン(たとえ自分のペット用でもダメ)
- 再生医療製品
- 牛・馬・豚・鶏など「食用動物」への使用目的の薬
- 人間用の薬(人にも動物にも使える薬など)
→ こういった場合は「厚生労働省」へ別の手続きが必要です。
4. 安全性は自己責任!
海外の薬は日本で認可されていないことが多く、効果や安全性が日本の基準では確認されていません。
- 万が一、副作用が出ても補償されない
- 正しく使わないと健康被害のおそれも
特に成分や容量の違いに注意しましょう。
5. 代行業者に全部まかせず、確認を!
代行業者が「大丈夫」と言っていても、最後の責任は自分です。以下を必ず確認しましょう
- どの国の薬か?
- 成分や使用方法は?
- 要指示医薬品ではないか?(フィラリア薬など)
- 事前に輸入確認が必要か?
※不明な場合は、農林水産省に相談するのが安心です。
【問い合わせ先】
📞 03-3502-8111(内線4531)
✉️ yakuji_kanshi@maff.go.jp
税関から「医薬品の確認が必要」というハガキが届いた場合
これは、「この荷物に薬が入っているから、法律に沿ってちゃんと手続きしてね」という合図です。もし届いたら、すぐに農林水産省へ書類を提出する準備をします。
1. 農林水産省に出す主な書類(個人輸入の場合)
以下は、自分のペットのために輸入する場合に必要な書類です
書類名 | 内容・ポイント |
---|---|
✅ 輸入確認申請書(様式第83号) | 何の薬か、どこで買ったかを書く |
✅ 商品説明書(様式第1号) | 成分や使い方、使用理由などを詳しく記入 |
✅ インボイス(仕入書) | 購入時に代行業者やショップからもらえる請求書 |
✅ 配送証明(AWBなど) | 国際郵便や航空便の送り状(荷物の情報) |
✅ 返信用封筒 | 確認済みの書類が返ってくるときに使います |
💡フィラリア薬など「要指示医薬品」の場合は、獣医師の処方箋も必要です。
2. 郵送またはオンラインで提出
動画:オンライン申請方法
【郵送の場合】
〒100-8950
東京都千代田区霞が関1-2-1
農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課 薬事監視指導班
【オンライン申請】
eMAFF(農水省共通申請サービス):
🔗 https://e.maff.go.jp/
👉機能の制度・手続き名称検索「輸入確認」で検索
3. 審査と確認印の返送
- 書類に問題がなければ、「確認済」と書かれた書類が返ってきます(またはオンラインで番号が通知されます)
- 通常1~2週間かかります。年末年始や繁忙期はもっと時間がかかることもあります。
4. 税関へ確認済書類を提出して、荷物を受け取る
これでやっと、荷物が手元に届きます!
輸入代行業者を選ぶときのチェックポイント
以下の項目をしっかり確認しておきましょう。
チェックポイント | 内容 |
---|---|
✅ 実績があるか? | ペット医薬品の輸入実績がある会社を選ぶ |
✅ 日本語対応しているか? | トラブル時にきちんと連絡が取れるか確認 |
✅ 法的リスクを説明してくれるか? | 「確認手続きが必要です」と案内がある業者は信頼性が高い |
❌「手続き不要」と書いてある | 逆に要注意。法律違反の可能性があります |
✅ 価格が異常に安すぎないか? | 極端に安い薬は偽物や期限切れの可能性も |
輸入できないケースの具体例と理由
日本の法律では、動物用医薬品の輸入には厳しいルールがあり、次のようなケースでは個人輸入が禁止されています。
❌動物用ワクチンの輸入
例:「海外の狂犬病ワクチンをネットで見つけたから、安く買ってみよう!」
→ NGです。個人輸入は禁止。
理由:ワクチンなどの「生物学的製剤」は、たとえ自分のペット用であっても、個人輸入は禁止されています。安全性の管理が非常に難しいためです。
❌牛・馬・豚・鶏など「対象動物」に使う薬の個人輸入
例:「自分の農場の牛に使いたいから、海外から薬を取り寄せよう!」
→ NGです。個人輸入できません。
理由:牛や豚など「対象動物(食用動物)」に使う薬は、個人が輸入することは法律で禁止されています。獣医師が診療目的で輸入する場合はOKです。
❌人間用または動物・人共用の医薬品を輸入
例:「人間用の抗生物質だけど、犬にも使えるから買いたい!」
→ NGです。厚生労働省の手続きが必要。
理由:人間用または人と動物兼用の薬は、農林水産省ではなく厚生労働省の許可が必要です。間違って手続きすると、通関で止められます。
❌要指示医薬品を処方箋なしで輸入
例:「フィラリアの薬を海外から注文したけど、獣医師の指示書はない」
→ NGです。通関できません。
理由:フィラリア予防薬や抗生物質などの「要指示医薬品」は、必ず獣医師の処方箋または指示書が必要です。なければ輸入できません。
❌輸入した薬を他人にあげる・売る
例:「うちの犬にはもう必要ないから、SNSで薬を譲ります!」
→ NGです。法律違反になります。
理由:個人輸入は自分のペットだけに使う場合のみ許可されています。他人への譲渡・販売は一切禁止されています(懲役や罰金の対象)。
❌輸入確認が必要な製品が手続き無しで届いてしまった
例:「フィラリア予防薬が、何の手続きもなく薬が届いた」
→ 原則NG。すぐに農水省へ申請が必要。
対応方法:輸入確認の手続きがされていなければ、「流れ通関」として農林水産省に速やかに確認申請書を提出する必要があります。
このようなケースに該当すると、薬が没収されたり、法律違反になる恐れがあります。わからないときは迷わず【農林水産省や税関、または動物病院】に相談しましょう。
よくある質問Q&A|ペット用医薬品の個人輸入
Q1. 税関からハガキが届いたけど、どうすればいいの?
A.
「外国から到着した郵便物の税関手続きのお知らせ」というハガキが届いたら、農林水産省に輸入確認書類を提出しましょう。
確認が取れたら「確認済書類」が返ってきますので、それを税関に提出すれば通関できます。
Q2. 輸入確認の手続きは一度やれば大丈夫?
A.
いいえ、毎回必要です。過去に同じ薬を輸入したことがあっても、その都度、輸入確認書類を提出しなければなりません。
Q3. 海外で「サプリメント」として売られているけど大丈夫?
A.
日本では医薬品扱いになる可能性があります。名前や成分によって判断されるので、不安なときは農水省に相談を。
Q4. 手続きにはどのくらい時間がかかるの?
A.
農水省に書類が届いてから通常は1~2週間程度で返送されます。年末年始などはもっとかかるので、余裕をもって準備しましょう。
Q5. インボイスって何?なかったらどうするの?
A.
インボイス(請求書)は、販売者が発行する「何を、いくらで買ったか」を証明する書類です。もし手元にない場合は、購入先のショップに問い合わせてください。
Q6. 代行業者が「確認はいらない」と言っていたけど?
A.
輸入する製品や数量により必要な場合がありますので注意してください!法律上、必要な手続きをしていないと「違法輸入」となり、最終的な責任は購入者自身が負うことになります。
Q7. 輸入できるかわからないときはどこに聞けばいいの?
A.
不明点がある場合は、以下の農水省の窓口に直接聞くのが確実です。
📞 電話:03-3502-8111(内線4531)
📩 メール:yakuji_kanshi@maff.go.jp
まとめ:安心して輸入するための3つのポイント
3つのポイント | 内容 |
---|---|
✅ 情報を確認 | 代行業者や製品情報をよく調べる |
✅ 必要があれば書類を準備 | インボイス、処方箋など |
✅ 自己責任を理解 | 輸入後の使用はすべて自己責任です |
サプリメントは、名前や成分によって医薬品扱いになる可能性があるので良く調べましょう。
また、まとめ買いは、受取り時に「消費税」および「税関手数料」を支払いが必要になったり、「輸入確認証」が必要になる場合がありますので、念頭に入れておきましょう。