犬・猫のノミ・マダニが原因の病気。症状及び治療。人も発症する病気
ペットの健康を守るためには、ノミやマダニによる病気の予防と早期治療が重要です。ノミとマダニが原因で引き起こされる主な病気、それらの症状や治療。また人にも影響のある病気などまとめました。以下を参考に気になる症状がありましたら早めに受診をしましょう。
犬・猫のノミによる病気
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に含まれる成分(パプテン)に対してアレルギー反応を起こした際に発症。アレルギー反応なので発症しない場合もあり。5歳未満で初めての発症することが多い。
症状:かゆみや炎症が広範囲にみられます。
治療:ノミの駆除と皮膚炎の治療。
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猫ヘモプラズマ感染症
猫赤血球表面に付着するグラム陰性細菌(Mycoplasma)の感染により引き起こされる症状で、溶血性貧血を発症させる。猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)に感染している猫の発症率は高い。
症状:溶血性貧血を引き起こす。発熱、元気消失、食欲不振、黄疸(おうだん)、沈鬱(ちんうつ)、脱水、脾臓の腫大、血色素尿といった、さまざまな症状がみられる。
治療:抗菌薬による治療。
瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)
グルーミングなどによりノミを口から取り込むことで、瓜実条虫が小腸に寄生。条虫(サナダムシ)の仲間。
症状:下痢や嘔吐、食欲不振、肛門周辺のかゆみなどを引き起こします。便中に片節(条虫の体節)を認めることがある。
治療:寄生虫駆除薬による治療。
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ノミ刺咬症(しこうしょう)
咬まれた刺激と、唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応により、強いかゆみが生じる。
症状:皮膚には紅斑や丘斑ができ、その中心には刺咬による出血斑がみられます。
治療:ノミの駆除と症状に応じた治療。
犬・猫のマダニによる病気
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(フタトゲチマダニなど)
SFTSウイルスを持ったマダニに吸血されることで感染する。特に2月から発生数が上昇し、3~5月に発生数がピークを迎える。
症状:一般的に無症状ですが、まれに発熱や食欲消失、白血球減少症、血小板減少などがみられます。
治療:対症療法。
ライム病
マダニによって媒介されるボレリア菌が引き起こす病気。4歳以下に発症が多い。
症状:発熱、元気沈衰、食欲不振、全身痙攣、神経過敏(攻撃性)、下痢・軟便、よだれ、流涙、起立不能、跛行(異常歩行)など。
治療:抗菌薬による治療。
犬バベシア症
マダニによって媒介されたバベシア原虫が赤血球を破壊
症状:貧血や食欲低下、発熱、血色素尿(茶色~褐色の尿)、黄疸(おうだん)などを引き起こします。重篤の場合は死に至ることも。
治療:抗菌薬で症状を緩和させて犬の体力(免疫)回復を待つ
ミミヒゼンダニによる病気
ミミヒゼンダニ症(耳疥癬)
耳の中に繫殖する体長約0.2〜0.3mmの微小ダニ
症状:大量の黒い耳垢が出たり、激しいかゆみや炎症を引き起こします。
治療:耳の洗浄、駆虫薬投与
イヌセンコウヒゼンダニ・ネコショウセンコウヒゼンダニによる病気
疥癬症(かいせんしょう)
表皮内に感染して皮膚の角質層にトンネルを掘りながら繁殖する。体長約0.3mmの微小ダニ
症状:激しいかゆみや大量のフケ、皮膚炎などを引き起こします。とくに耳介・四肢・下腹部に病変が見られます。
治療:駆除と角質溶解シャンプー等症状に応じた治療。
イヌニキビダニによる病気
ニキビダニ症(毛包虫症)
表皮毛包内に自然寄生(無症状)する。体長約0.3mmの微小ダニ
症状:栄養状態が悪化したり免疫力が低下している時などに過剰増殖し、脱毛やフケを引き起こします。
治療:駆除と毛穴の洗浄力が高いシャンプー等症状に応じた治療。
ノミ・マダニ共通
貧血:子犬や子猫では、大量のノミに吸血されることで貧血を起こす場合有り。
ストレス:激しいかゆみによるストレス症状を起こす場合有り。
ペットの駆虫薬にはさまざまな種類がありますが、自己判断での使用は避け獣医師に相談しましょう。
ペットのノミやマダニは、様々な病気を引き起こす可能性があり、場合によっては飼い主にも影響が出る場合があります。これらの寄生虫による病気を予防し、早期に治療することが重要です。ペットの健康を守るために、定期的なノミ・マダニ予防薬の使用と、環境の清潔を保つことを心がけましょう。
人が発症する病気
ノミ刺咬症(しこうしょう):ノミ
患部を掻きむしることによって細菌が入り込むと、二次感染により化膿し水ぶくれになる。
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猫ひっかき病:ノミ
バルトネラ・ヘンセレ( Bartonella henselae)という グラム陰性細菌によって引き起こされる感染症。感染している猫に引っかかれた際に発症。患部が化膿したり、リンパ節の腫れ、発熱や頭痛などが起きる。免疫機能が落ちている場合に注意が必要です。
瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう):ノミ
瓜実条虫に感染した猫から卵などが口から入ると同じように人にも感染します。触らないように注意が必要です。
疥癬症(かいせんしょう):イヌセンコウヒゼンダニ・ネコショウセンコウヒゼンダニ
まれに移ることがあります。激しい痒みが特徴で、時に不眠になることがあり皮膚を掻くことによって外傷が生じ二次感染を起こすことがある。特に免疫機能が落ちている場合に注意が必要です。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS):マダニ(フタトゲチマダニなど)
発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状、リンパ節腫脹、出血(血小板減少)などがみられ、死亡例も有ります。
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ライム病:マダニ
刺咬部を中心とした特徴的な遊走性紅斑(徐々に広がる紅斑)、発熱、リンパ節腫脹、関節痛、慢性萎縮性肢端皮膚炎や慢性関節炎などの症状がみられる。
本マダニは北海道ならびに、本州や四国、九州の山間部に生息する。北海道や青森県の一部では市街地等を除く平野部でも生息する。一般家庭内のダニで感染することはない。
国立感染症研究所
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参考資料: ゾエティス ジャパン他
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
https://dr-nyan.com/column/cat-dipylidium-caninum/
https://www.bravopets.jp/owner/cat/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%83%BB%E7%97%85%E6%B0%97/902/
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2607-related-articles/related-articles-516/11817-516r08.html
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1484
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/infection/guideline.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/50/1/50_1_1/_pdf/-char/ja
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