ペットがフィラリア感染！その時どうなるの？死亡率は？予防薬の種類と注意点
フィラリアとは
フィラリアには種類がありますが、日本では主に犬や猫などのペットに寄生する虫の一種です。この虫はペットの体内で成長し、重篤な健康問題を引き起こすことがあります。特に、予防を怠ったり薬を忘れると、ペットにとって危険な状況が生じることがあります。
日本のペットにおけるフィラリアの種類
- 犬の心臓フィラリア: 「Dirofilaria immitis」は犬に感染する最も一般的なフィラリアで、心臓や肺動脈に寄生します。
- 猫の心臓フィラリア: 猫も「Dirofilaria immitis」に感染することがありますが、宿主ではないため犬ほど一般的ではありません。猫の場合、感染で発症する確率は低く、症状も異なることが多いです。しかし、約10％の猫がフィラリア症になると言われています。
- その他のペット: 一般的に、他のペット（例：フェレット）に対するフィラリア感染の報告は少ないですが、理論的には感染の可能性があります。
- 皮下フィラリア: 人間にも感染することがある「Dirofilaria repens」などの皮下フィラリアは、日本では一般的ではありません。
フィラリアの成長とペットの体内でのライフサイクル
- 蚊による咬みつき: フィラリアの幼虫を保有する蚊がペットに咬みつきます。
- 体内で孵化: 咬みつかれたペットの体内で、フィラリアの幼虫が孵化します。
- 血管へ移動: 幼虫は血管へ移動（上図では④です。ここで駆除してしまうと死骸が血管で詰まり突然死になる可能性）し、成長を始めます。
- 6ヶ月で成長: 幼虫は約6ヶ月で成虫（成虫は駆除出来ない）に成長します。
- 心臓や肺へ移動: 成虫はペットの心臓や肺などに移動し、さらに成長します。
このライフサイクルを理解することで、フィラリアの予防や早期発見につながります。ペットの健康を守るために、定期的な検査と予防薬（駆除薬）の使用が重要です。
フィラリア感染したらどうなるの？
ペット（特に犬）に様々な健康問題が発生する可能性があり進行すると以下のような症状や合併症が現れることがあります。
- 呼吸困難: 肺動脈に寄生すると、呼吸が困難になることがあります。これは、寄生虫が肺の血流を妨げるためです。
- 咳: 特に運動後に咳をすることが多くなります。
- 疲労感: 感染が進むと、普段の活動に対して疲れやすくなることがあります。
- 体重減少: 食欲不振や栄養吸収の問題により、体重が減少することがあります。
- 心臓病: 心臓に寄生すると、心臓に負担がかかり心臓病を引き起こす可能性があります。
- 突然死: 極めて重度の感染では、突然死を引き起こすこともあります。
感染時の死亡率はどのくらい？
感染時の死亡率はわかっていません。かつては犬の死亡率トップでした。現在ではペットショップや動物病院での指導もあり、飼い主が予防についての認識が広がり積極的に月１回の予防を行うため、フィラリアが原因で死亡する犬は減少しているようです。
忘れたり予防していないとどうなる？
忘れた場合
フィラリア予防薬は駆除薬です。本来は刺された後、ひと月以内に投薬すれば問題はありません。しかしいつ刺されたかわからない事、血管に移動した幼虫の大量死による血管の詰まりや幼虫の分解によるアナフィラキシーショックなど命の危険性がありますのでかかりつけの動物病院で相談しましょう。成虫になると駆除することが出来ないため本来なら定期的に投薬します。なるべく早く対処しましょう。
予防していない場合
ひと夏予防をしない場合は感染する確率が約38％と言われています。感染し成虫になる前に駆除できなかった場合は、心臓内の寄生により様々な障害を起こします。最悪は死に至ります。
猫はフィラリア発症しにくい
猫における心臓フィラリア感染の発症確率が低い理由は、いくつかの要因に起因しています。
- 寄生虫の対象: 「Dirofilaria immitis」は主に犬を対象として進化しており、猫は自然界での主要な宿主ではありません。そのため、猫の体内での寄生虫の生存と繁殖が犬よりも困難である可能性があります。
- 免疫応答: 猫の免疫システムは、フィラリア寄生虫に対して異なる反応を示すことがあるため、感染しても成虫に成長せずに死滅することが多いです。
- 感染経路: 猫の体内での寄生虫の移動経路が犬とは異なる場合があり、成虫が心臓に到達する前に死滅することがあるとされています。
- 感染の自然解決: 一部の研究では、猫の体内でのフィラリア寄生虫の寿命が犬よりも短いことが示されています。これは、感染が自然に解決する可能性を高める要因となる可能性があります。
- 診断の困難: 猫のフィラリア感染は症状が非特異的であるため、診断が困難であることが多いです。そのため、感染が見逃されることがあるかもしれません。
これらの要因により、猫における心臓フィラリア感染の発症確率は犬に比べて低くなると考えられています。しかし、感染自体は重篤な健康問題を引き起こす可能性もあります。
猫のフィラリアの感染プロセス
犬と同様に、猫でのD. immitis感染は、感染した蚊による咬傷と感染性L3幼虫の伝播から始まります。しかし、猫では、L4および成虫への脱皮を生き延びる幼虫が少なく負担が少なくなります。未成熟な形態が移動中に死亡するか、肺に到達すると、心臓フィラリア関連呼吸器疾患（HARD）を特徴とする急性の肺炎反応を引き起こします。この肺炎反応は、咳、呼吸困難、嘔吐、突然の死などの臨床的兆候を引き起こします。これらの兆候は、感染後3ヶ月以内に現れ、喘息と誤診されることがあります。
出典：猫における心臓フィラリア感染の発症確率が低い理由に関する文献「Feline Heartworm in Clinical Settings in a High Canine Prevalence Area」からの抜粋翻訳したのもです。この研究は、ブラジルのリオデジャネイロ（犬の心臓フィラリア感染率の高い地域に住む猫の心臓フィラリア抗原の血清学的有病率を調査）で行われました。
この研究から、猫の心臓フィラリア感染の発症確率が低い理由は、感染初期の段階で幼虫が生き延びる確率が低いこと、また未成熟な形態が死亡するプロセスも、感染の全体的な進行を抑制する要因となっている可能性があります。
注意点
- 猫のフィラリア感染: 猫のフィラリア感染は診断が難しく、予防薬の選択も犬とは異なる場合があります。猫用のフィラリア予防薬を選ぶ際には、獣医師と相談することが重要です。
- 地域差: 日本国内でも地域によってフィラリア感染のリスクが異なるため、地域の獣医師と相談して最適な予防策を選ぶことが推奨されます。
その他のペット
日本のペットにおけるフィラリア感染は主に「Dirofilaria immitis」によるもので、犬と猫の感染が最も一般的です。その他のペットについては、感染報告が少ないため、具体的な情報は限られている場合があります。
フィラリア予防薬の種類
フィラリア予防薬は、ペットのサイズや種類に応じて異なる種類があります。以下は一般的な予防薬の例です。
- 錠剤タイプ: 口から直接与えることができるお薬です。
- チュアブルタイプ: おやつのような感覚で与えやすいお薬です。
- 液体タイプ: 皮膚に塗布する液体タイプです。使用直後は舐めないように注意が必要です。
薬の使用における注意点
フィラリア予防薬を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 正しいタイプの選択: ペットの種類や体重に合った薬を選ぶことが重要です。
- 定期的な投与: 薬は毎月1回の投与が必要です。飲み忘れないように注意しましょう。
- 副作用の確認: 一部のペットに副作用が出ることがあるため、使用前に獣医師と相談することが推奨されます。
フィラリア予防薬は、ペットの健康を守るために欠かせないものです。薬の種類を正しく選び、定期的に投与することで、ペットをフィラリアの危険から守ることができます。薬の使用には注意が必要で、獣医師との相談が推奨されます。
ペットオーナーが取るべきステップ
- 獣医師と相談: ペットに合った予防薬を選ぶために、獣医師と相談しましょう。
- 定期的な投与: 予防薬は毎月1回投与する必要があります。カレンダーなどでスケジュールを管理しましょう。
- 副作用の監視: 薬の副作用に注意し、異常があればすぐに獣医師に連絡しましょう。
人気のおやつ感覚チュアブルタイプ「ネクスガードスペクトラ」病院以外でお得に買える？
おやつのように与えやすいフィラリア駆除薬「ネクスガードスペクトラ」ですが、病院で処方されるお薬なので、残念ながら気軽に大手通販再サイト（Amazon、楽天、Yahoo！「ノミ・ダニ・蚊」とあるお薬がありますが、近づけない為の薬で駆除薬ではありません）等では購入できません。保険も使えないため割高で、特にペット複数飼っている方には深刻な問題かもしれません。
そこで多頭飼いの方にごおススメするのは、個人輸入と言う選択です。
一般の個人が自分で使用するために輸入（いわゆる個人輸入）する場合（海外から持ち帰る場合を含む）には、原則として、地方厚生局に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、以下の範囲内については特例的に、税関の確認を受けたうえで輸入することができます。 当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。
引用：厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」（https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/topics/tp010401-1.html）
「個人輸入なんて難しそう」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、普通の通販と同じように購入することが出来ます。
※あくまでも個人使用に限ります。
※使用前（期間が空いた場合も）一度は獣医さんに診てもらいご指示を頂きましょう。
下記の記事をご参考ください。
ワンちゃんはこちら
⇒ 最安値で購入できるネクスガードスペクトラ正規品おすすめ通販サイト
⇒ 犬用ノミ・マダニ・フィラリア全てに効くお薬。ネクスガードスペクトラ、クレデリオプラス錠、パノラミス錠の違い
猫ちゃんはこちら
⇒ 猫のフィラリア予防薬比較「ネクスガードキャットコンボ」「レボリューションプラス」「ブロードライン」
⇒ 愛猫に。レボリューションのジェネリック「セラフォーテ」「セレホールド」「レボスポット」をおススメする訳とその違いとは
まとめ
フィラリアはペットにとって深刻な健康リスクをもたらすことがあります。予防薬の正しい使用は、このリスクを最小限に抑えるための鍵です。薬の種類、使用方法を理解し愛するペットを守りましょう。
フィラリア予防はペットの健康を守るために欠かせません。この記事を通じて、フィラリアとその予防についての理解が深まったことを願っています。